1.STLデータで作ったその後
3DデータをSTLデータで作って、3Dプリンターでのアウトプットも簡単ですが、内部構造の設計をしなければいけません。
そうするとSTL編集ソフトではできなくはないですが、かなり面倒です。
通常の設計作業は3DCADソフトを使いますが、STLデータとCADデータは、同じ3Dデータでも中身が全然違います。
では、どうするのか?
STLデータをCADデータに変換します。変換といっても簡単には変換できず、手間が掛かり、また形状も若干劣化したりすることもありますが、調整しながら進めます。

これがSTLデータ→サーフェスデータ(CADデータ)にしたものになります。
STLデータをサーフェスデータにオートサーフェス(自動面貼り機能)を使って貼りますが、このコマンドを実行する前に、調整、編集が必要です。
画像内の黄色のが単一のサーフェスデータ(CADで読み込めるデータ)です。
- 意匠が細かい所は、合わせて細かく面データを作成。
- あまり細かく面データを作り過ぎるとデータが重くなるので注意!
2.「ものづくり」のデータ作り
CAD化のデータができますので、ここから「ものづくり」のデータを作るのですがここでは、
- プラスティック成形品
- 成形する材料は 透明ABS材
- インジェクション金型(射出成形型)
と、一般的な方法で作ることを想定します。
で、成形品を作るにあたって、まず製品を中空形状にする必要があります。
中空形状は、表面の意匠デー/タを板厚分、オフセットした形状を作り、板厚を形成します。

↑の画像で、グレー色のものがオフセット形状です。
意匠データと重ねるとこんな感じになります。
3.オフセットデータを作る
これが意匠データをオフセットしてできた「COR」データになります。

単純にオフセットをしただけのデータですので、シャープエッジやノイズデータができています。
これは板厚の内側になりますので、シャープエッジは強度的に弱くなってしまいますので、丸めて滑らかにした方が、強度的にも形状加工的にも良いので、できる限り丸めるようにします。

データを丸める修正をしたものが、↑の画像です。
このオフセットデータも意匠データと同様にCADデータに置き換えます。
先の意匠CAVデータとオフセットデータ(CORデータ)を重ねて、板厚を設定した「ものづくり」データの最初の工程が完成になります。